愛は惜しみなく与う【番外編】
「せっかく同じ空間に2人でいるのに、離れて行こうとする」


なんか、距離がある

それは寂しいやん


泉はあたしに引っ張られて変な体勢のまま、ベッドで固っている。

こんなんゆうたら、困るか


「いや、ごめん。大丈夫。ちょっと強引やったな」


泉の手首から手を離す
泉の手は少し赤くなってる。
申し訳ない。結構な力で握ってしまってた。


「あ、杏…」

「気にせんといて!タバコ吸っておいで!20歳やし合法や!堂々と吸ってこい!」


無理矢理泉を布団から追い出す

引っ張ったり追い出したり忙しいわ!


ちょっと落ち着くために、瞑想でもしよかな。深呼吸深呼吸……えっと


「どしたん?」


瞑想しようとしたけど、背後にまだ気配があるから落ち着かん。


「泉?」

「俺、触れていいの?」



「……はい?」


きっと泉は色々考えてたんやろな。まぁその頭の中わからへんから、突然触れてもいいかと聞かれるとよく分からんけど。


「あたし、触んなゆうたっけ?」

「……いや、でも」


曖昧な返事
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