愛は惜しみなく与う【番外編】

「杏!……信じてないだろ?」

苦しそうな響先輩の顔


「勿論信じてないけどさ。いや、なんやろ。あたしは何に対してイライラしてんのか分からへんわ」


「ごめん、そんな顔するなよ。ちょっとでも元気になればと思って連れてきたんだ。ごめんな?俺の分も食う?」


残っている響先輩のパスタをチラリと見て、杏さんは頷いた。
あ、食べるんだ


そんな時杏さんの携帯が鳴る


「…泉や」

「でなよ」

優しくそう言う響先輩。
でも何か悩んでうーーんと出る気配のない杏さん。
仕方ない。そう呟き携帯を手にした


『杏!いまどこだ』

大きな声でスピーカーにしていなくても、相手の声が聞こえる。


「響とえみりちゃんとご飯中。どしたん」

『いや…家にも倉庫にも来ないから』


杏さんの顔は暗いまま


「倉庫には…あの人おるやん。やし行きたくない。今日も響と家帰るし」

『あの女はもう居ない。みんな待ってるから』

「んーん。今日はええわ。疲れたし」


そしてそのまま杏さんは電話を切った

え、いまの烈火の総長さんとの電話よね??そんな話の途中で切っていいの?
てゆうか電話口の声が優しすぎたんだけど?

え?

蕪木先輩ってそんな感じなの?


うわ、今度は俺にかかってきた

と響先輩は苦笑い
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