愛は惜しみなく与う【番外編】

「俺、多分一目惚れだと思う。杏に初めて会って、杏がこれで貸し一つやなって言ったあの瞬間、もう惚れてた。

最初は俺も人を好きになったことがなくて、戸惑ってた。変わっていく自分に頭も追いつかなくて。

でも心地よかった。


杏が笑うなら、何でも楽しかった。だから何か抱えてると思った時、苦しかった。
俺には…救ってあげれないのかなって。

長かったよな

いっぱい我慢させてたよな

何度も気持ちを伝えようとしたけど、できなかった。杏は将来結婚しなきゃいけないって言ってたから。
叶わない口約束なんて、したくなかった。

そうするくらいなら、全てから杏を奪おうと思った。東堂から、サトルから、全てから杏が解放されれば……

俺のことを見てくれるかなって。


俺は杏の傷みに触れれて良かったよ。杏の優しさが詰まってたから。杏の悲しい決断も、馬鹿だなって思うくらいの頑固さも……全部含めて好きだ。


俺は本気で愛してる。
絶対守るし、悲しませない。幸せにする。
俺を変えてくれてありがと。俺と出会ってくれてありがとう。


大好きだ。結婚しよう」




あたしは幸せすぎるこの言葉を忘れへん

幸せすぎて震えたこの身体の感覚も忘れへん



この日あたしは


……泉の彼女になった


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