すきって言って
──キーンコーンカーンコーン…
HRが終わるなり優志くんは私の腕を掴んで教室から飛び出した。
「よし、ここなら大丈夫そう」
そう言って来たのは空き教室だった。
「優志くん、頼みたいことって…」
「泉さんの好きな人を聞いて欲しいんだ!」
両手を合わせてお願いされた。
「えっ、あぁ、好きな人…」
「頼めるのは絃ちゃんだけなんだ!お願い!」
昔からこういうのはよくある。
「うん、分かった、今日聞いてみるね」
「ほんと!ありがとう絃ちゃん!」