カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

「は、隼世さん……」

目を開いて固まっていると、彼の体が近づいてくる。身構えるが、彼の上半身はしっかりと私の体と密着し、強くて太い腕が背中と首の後ろに入り込んでくる。

ギュ、と力を込めて抱き締められ、隙間なくふたりの体がくっついた。

抱き締められるの、初めてーー。

強ばった体はだんだんと柔らかく応えられるようになり、私もそっと、隼世さんの背中に手を回す。

彼の心臓の音まで聞こえてくる。

溢れ出しそうな想いを込めて抱き合いながら、時折体をずらしたり、手で背中をさすったりして、彼のたくましい感触を味わった。

「……菜々花さん」

私も気づいて、動きを止める。

隼世さんの体が反応して硬くなっており、それが私の下半身にあたっている。

思わず黙り込み、熱くなる顔で彼を見つめた。
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