政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 そのまま弦さんに腕枕をしてもらい、彼の胸に擦り寄る。温かくて安心できる。すると睡魔が襲ってきた。
 もっとこうしていたいのに瞼が重い。

「なぁ、未来。いつかうちの両親と未来の両親を連れて、みんなで旅行に行けたらいいな」

「えっ? 旅行ですか?」

「あぁ。……そんな日が来てほしくないか?」

 弦さんに言われて想像してみる。きっと弦さんのほうはふたつ返事で行こうと言ってくれるだろう。でもうちの両親はまだ一緒に旅行してくれるか不安だけど、そんな日が来てほしいと思う。いや、必ず実現させたい。

「行きたいですね、旅行」

「だろ? それとそろそろ一軒家も見に行こうか。あとタイミングがなくてずっと行けなかった譲渡会にも。広い庭付きの家を買って、犬と叶夢が駆け回れるほど広い庭付きの家を買って、お互いの両親を呼び、バーベキューをするのもいい」

 それは叶夢が生まれる前、少しだけ話した未来の話。弦さん、覚えてくれていたんだ。でもきっとそんな日々が訪れるのは、そう遠くないだろう。

「そのときには、もうひとり家族を増やしてもいいかもな」

 それはつまり、子供をもうひとり作るってことだよね? ……うん、私も同じ。大切な宝物をもっと増やしたい。

 顔を上げると、引き寄せられるように唇を重ね合う。



 出会いは政略結婚。お互い恋愛感情などなかった。でも同じ時間を過ごす中で惹かれ合い、今では本物の夫婦となった。

 きっかけはどうであれ、私たちは愛し合っている。

 叶夢やそう遠くない未来に生まれてくる子にも伝えたい。誰かを好きになり、大切な存在ができることはなにより幸せなことだと。

 その人がいるだけで何気ない日々が、劇的に変わるもの。

 私は弦さんと出会えて幸せ。つらく、悲しいことが多かった日々が一変したのだから。

 この幸せが永遠に続きますように。彼の腕の中でそう強く願った。
                              END
< 235 / 235 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1,415

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
たとえ愛されていなくても、好きな人と結婚できるなら 幸せになれると思っていた。 だけど、実際に始まった愛のない新婚生活は つらいことばかり。 愛のない政略結婚だと思っていたけれど……? 実は、愛されまくりの妻でした。 ※2025年12月発売のベリーズ文庫 改稿前の試し読みとなります。続きはベリーズ文庫にて お楽しみいただけましたら幸いです。
表紙を見る 表紙を閉じる
騙されて連れて行かれたお見合いの席で出会った人。 彼とは初対面のはずなのに、私に結婚を迫ってくる。 どうしてこんなに優しくしてくれるの? なぜ愛してくれるの? 彼の一途な愛に疑問が増すと同時に、次第に惹かれていく。 だけど彼の想いには、ある秘密があって……? 記憶の扉が開いた時、彼の一途な想いに胸が苦しくなる。 パイロット×呉服屋の令嬢 お見合いから始まるラブストーリー
愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
  • 書籍化作品
[原題]きっとキミは、運命の人~記憶を失ったはずなのに、溢れる想いは止められない~

総文字数/116,921

恋愛(純愛)227ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あなたが私の運命の人だと、信じて疑わなかった。 偶然の出会いからはじまった私たちの関係。 一緒にいられるだけで幸せで、それだけで充分だった。 どんな未来が待っていても、彼となら乗り越えられると思ったのに――。 駆け落ちを約束した彼に振られてから発覚した妊娠。 立ち直って新たな地で新生活をスタートさせたのに、偶然に再会した彼は 私の記憶を失っていた。 「きっと俺は何度記憶を失っても、萌を好きにならずにはいられないんだと思う」 °˖✧運命の彼と再会して始まるシークレットベビー✧˖° ※こちらは改稿前のものです。加筆・修正されたものが2023年5月10日 ベリーズ文庫より発売されます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop