トラップ教室
秀の過去~秀サイド~
中学生のころの俺は高校生って大人だよなぁって、なんとなく、漠然と考えていた。


身長だってグングン伸びるし、筋肉だってガッチリついちゃって。


勉強も部活も恋もして、大忙しって感じ。


だから、自分も高校生になるときっとそんな感じになって、大忙しになるんだろうなぁって思っていた。


「なぁ、暇だなぁ」


放課後の教室、俺はダラダラと机に突っ伏して前の机に座る響へ声をかける。


高校に入学して半年が過ぎようとしていたけれど、俺は俺のまま。


劇的に身長が伸びたわけでもなく、筋肉がついたわけでもなく。


勉強も部活もほどほどで、恋なんて程遠い毎日を送っていた。


つまり、暇だったのだ。


「お前も委員会に入ればいいだろ」


入学早々生徒会なんかに入って多忙の響は呆れた顔をしている。


「やだよ委員会なんて。めんどくさい」


そう言ってプイッとそっぽを向く。
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