リアル彼氏
それでも、この空間をやけに心地よく感じられていた。


なにもかもどうでもいい。


ひたすら弘志君の声を聞いて、弘志君のいいなりになって。


それが今の自分にとって一番楽な選択肢だった。


ここから逃げようとしてもがくと苦しい。


やがて、逃げる気力は消えていく。


どうして自分はここから逃げようとしていたんだっけ?


そんな風にすべてが真っ白になっていく。


そうなれば、きっとあたしは、楽になれるから……。


あたしは弘志君の声を聞きながら、かすかに笑ったのだった。



END
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