リアル彼氏
「協力なんて、別にいらないし……」




口の中でモゴモゴと反論するあたし。


でも、自分の顔が熱くなっているのを感じる。


きっと真っ赤に染まっていることだろう。


「貴也はライバルが多いよ?」


そう言われてドキリとする。


今日の体育の授業を見る限り、そうなんだろうなと思う。


きっとあたしなんて最初から相手にされない。


「ねぇ、あたしが橋渡しをしてあげるよ。貴也とは時々話すし、その時に美弥のことを話してあげる」


マリナの言葉にあたしは上目遣いになった。


本当だろうか?


「あたしの、なにを話すの?」


「なんでもいいよ? 美弥のこと、どう思う? とか」


そんなにストレートに聞かれたら気持ちがバレてしまう!


あたしは左右に首を振った。


「それとなく、あたしのことを認識してもらうだけでいいよ」


そういうあたしにマリナは詰まらなそうに唇を尖らせた。
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