イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


『え、もう会長バス入っちゃったの?!』


C組のバスを見上げて、残念そうな声で言う女の子たち。

その横で、私は担任に言った。


「先生…」

「なんだ桜田、びっくりさるな。気配なかったぞ今…」

「聞きたいこと、いっぱいあるんですけど、1つだけいいですか…?」

「いいけど早くお前もバス乗れよ」

「なんでC組のバスに、生徒会長、ご乗車されてるんですか?」

「ああ、会長だけじゃないぞ、生徒会は3人ともだ」


それはもはやどっちでもいい!


「だから、なんでうちのバスなんですか…?」

「うちのバスが欠席とか人数の兼ね合いで、一番空いてたんだよ」


…なんだその、不幸な偶然…。

私はがっくりして、俯く。


「先生、他のクラスのバスって、空きあります?」

「なに言ってんだ桜田、頼むから早くバス乗れ」



担任に呆れられた私は、現実を受け入れられないままバスに乗りこんだ。


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