イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


なんて言い訳しよう、そう考えていると、


「宗介のスパルタ、そんなきつかったか」


会長が苦笑いして言ってくれたので、私はぶんぶんと頷く。



そう、副会長のスパルタは嫌だから…、


だから、会長が、いい。



…本当に?



混乱しながら自問自答していると、ふと、会長の左肩が目に入った。


紺色のカッターシャツの色が、左肩のあたりだけ濃くなっていて。


一目で、濡れていると分かる。



私は自分の右肩を見るけど、そこはちっとも濡れていなくて。



俯く。



泣きたいような、気持ちになって。



…2人きりになったらいつも、どうしてこんなに、優しいの。



「…じゃ、行くから」



そう言われて、私ははっと顔を上げる。



「待って…」



思わず言ってしまった。


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