イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


会長の脇腹をつついて流奈さんが、

「生徒会室でなにしてたのさあー?」

聞くと、会長はちらりと私を見て。


綺麗な目を片方だけ細くして、薄い唇を少しゆがめて意地悪く笑って言った。


「なんだろうな?」

「…………っ!!」


ぎゅぎゅぎゅっと心臓が縮まるのが分かって。


私は思わず、会長の腰をグーで殴ってしまった。


「全然痛くねー」


会長が言うと、流奈さんが楽し気に笑う。


「宗介と流奈はさっさと鞄、取ってこい」


言われた2人が生徒会室から鞄を持ってきて、4人、並んで歩きはじめた。



そういう、騒がしい、夏休み前日のお話。


< 198 / 432 >

この作品をシェア

pagetop