冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
私の好きな人 side花
(side花)


ドキドキ、ドキドキ。


朝から私の心臓はバックバク。


今日こそは彼に話しかけよう。


おはようって挨拶を交わすだけでも構わないから、とにかく一言だけでもいいから。


どうしてもどうしても、ちょっとだけでもいいから彼の視界に入りたい。


そんなことを思いながら、高校の正門前でその人が現れるのを待っていた。


10月に入ったばかりだけどまだ気温は暖かいからこうしてずっと立っていても平気。


手には封筒を握っている私。


渾身の思いを込めたラブレターは毎日渡せずじまいで、少しヨレッとしてきている。


「フウッ」


でもね、待っているこの時間がわりと好き。


だって彼のことを思っていられるから。


私立鷹月学園高等部2年、総合セレブリティコースに通う私はある人に1年半近く片思いをしている。
< 1 / 351 >

この作品をシェア

pagetop