冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
俺のことを好きなお嬢様 side千景
(side千景)


ああ、朝からなんてついていないんだろう。


「またいるし……」


俺は小さい声でぼやいた。


うんざりするような光景。


いつまでたっても慣れることなんてない。


私立鷹月学園高等部普通学科2年の俺、雨城千景(うじょうちかげ)はどうやら女難の相がでているらしい。


そうとでも考えないと、この状況は受け入れられない。


「キャー千景くーん」


同じ普通学科の女子生徒数名に正門前で毎朝取り囲まれる。


正直、うんざり。でもまだこれは許容範囲のうち。


小学校の頃から、この母親似の女みたいな顔と長身のせいで女子からはいつも注目を浴びることが多かった。


ある程度こういう状況には慣れている。


だから、あしらい方も一応わかってるつもりだ。


対処法はシンプルだ。


そう、こういう時はスルーに限る。

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