冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
モヤモヤッと、あらゆる妄想が頭をよぎる……。


「いや、そんなわけない」


そうつぶやいて、パチンと自分で自分の頬を叩いた。


ようやくハッと我にかえる。


バカか……。


花がそんなことを望んでるわけないよな。
彼女はただ純粋に俺に会いたいだげだろ。


俺、何をこんなにのぼせて舞い上がってるんだろう。


明日彼女がうちに来ることを、こんなに楽しみに思っているなんて。


こんなこと、誰にも言えないな。
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