冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

千景くんの不安と嫉妬

俺の彼女から離れろ side千景

（side千景）


花が帰った後、俺は家の手伝いや妹たちの面倒をを見たり弟に勉強を教えたりいつものように忙しく過ごした。


夕方からはイタリアンレストランでアルバイト。


１７時から２１時までの勤務だったけど、仕事の合間にふと花のことを思い浮かべていた。


というのもせっかく彼女がうちにきてくれたのに、弟たちのせいで気まずい思いをさせてしまったかもしれないと気になっていたから。


あの時、もう少しゆっくりしていけばいいのにとさえ思った。


『お願い、もう少しだけこのままでいて。あと残りの時間全部こうしていたい』


そう言って甘えるように縋り付いてきた彼女がいじらしくて。


正直言うと、可愛いなと思った。


２日間顔が見れなくて寂しい、なんて素直に彼女は言っていたけどもしかしたらそれは俺も同じだったのだろうか。