冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
体育祭の次のプログラムのラブラブカップル障害物競走がもうすぐ始まるところだった。


予定なら俺と花が一緒に出るはずだった。


けど俺はさっき花に別れを告げられたから、当然出る資格なんてないような気がする。


だってもうカップルじゃないだろ。


それに花にまたさっきみたいに拒絶されそうな気がしてどうしたらいいのかわからなかった。


そうしてウジウジしていた俺を伊達はブツクサ説教しながらここまで連れてきたんだ。


「千景ほれ、行ってこい」


「いや無理だから」


「なにが無理だよ。死にそうな顔してるくせに。このラブラブ競走にほんとは出たいんだろ?」


「いや、出たいわけじゃないけど」
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