冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
「なに照れてるんだよ花、俺とは一緒に風呂にだって入った仲じゃないかよ」


拓海くんは拗ねたように唇を尖らせる。


「あーもう、それは子供の時の話。そんな大きな声で言わないで」


呆れながら反論するのはいつものこと。


「花は俺じゃなきゃダメなんだよ。花を一番わかってるのは俺なんだから」


地団太踏みながら子供みたいに悔しがっている彼。


「はいはい、もう黙ってったら」


見かねたちえりちゃんが私達の間に割って入ってくれる。


「まあまあ、落ち着けって。相手はあの雨城千景だって言うしまだほんまかどうかわからんで」


そこへ大原くんが拓海くんをなだめようとしてこんなことを言う。


「ほんとうだよ、大原くん。私と雨城くんはつき合うことになったんだから」


慌てて反論する私。
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