冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
だからこれはお礼。なんていうか彼女に借りを作るのが嫌というか貰いっぱなしっていうのが気になったので買ってきたんだけど。


まさかこんなに喜ぶと思わなかったな。


「それでよかった?」


「うん、ありがとう」


女子の好みとかよくわからなくて自販機の前で少し迷っていたんだよな。


しかし、彼女のイメージからしてイチゴがぴったりだと思ったんだ。


彼女はイチゴ牛乳のパックを大事そうに両手でぎゅっと握っている。


「ちょうど、のどが渇いてたの」


「そう」


見れば、耳まで真っ赤になっていてかなり暑そうだ。


それからいつものように、2人でベンチに腰を下ろした。


「あの、クッキーどうだったかな?甘すぎないように作ったんだけどお口にあったかな?」
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