夕焼け雲は優しさを受けて輝く【完】
通学
キン!

ボールが金属バットの芯に当たった小気味いい音が、ほんのり朱に染まった空に吸い込まれていく。

私は、いつも通り、野球部の練習風景を横目に、フェンス脇の歩道を、校門に向かって自転車を漕ぐ。

グラウンドにいるのは、昼間部と呼ばれる全日制の生徒たち。

夜間部と呼ばれる定時制に通う私は、いつも17時半の始業時刻に合わせて、17時過ぎにこの道を通学する。

この間までまだ明るかった通学時間だけど、秋分を過ぎると、一気に日が傾くのが早くなってきて、綺麗な夕焼けも見られるようになってきた。
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