いつか咲う恋になれ
「紗倉さん今からお昼?」

「はい。優莉と一緒に今からお昼です」

そう言って人混みを避け、少し離れた場所にいる優莉の方を見る。優莉も宮原先輩に気づいたみたいで、ペコっと小さくお辞儀をした。

「二人でお昼なら生徒会室で食べたら?のんびりできるよ」

「いいんですか?」

「いいよ。まぁ俺と真尋がいるけど、それで良ければ」

宮原先輩は待ってるよと言わんばかりに私に手を振って、先に生徒会室へ戻って行った。

私もお目当ての苺ミルクを買って優莉の元へ戻る。

「お待たせ。宮原先輩が生徒会室で食べたらって言ってくれたんだけど、どうする?」

「静かだしいいんじゃない?じゃあ行きましょう」

私達は生徒会室で食べることにした。その途中、私は優莉に彼氏と別れた事を伝える。そして友達と距離を置いた事も……

「そう……穂花は自分の決断に後悔してない?」

「うん、大丈夫。そういえば一緒にお昼良かったの?誰かと食べる予定だったとかなかった?」

「そんな予定はないわ。いつもお昼は一人で茶道室に行ってたから」

もしかして優莉はあまり人と一緒にいるの好きじゃないのかな。友達とわいわい盛り上がるタイプじゃなさそうだし。
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