いつか咲う恋になれ
「そ、そう!パフォーマンスだよ、全部。良かった〜紗倉ちゃんがちゃんと分かってくれてて」

小谷先輩が笑いながらそう言うので、私も一緒に笑う。良かった、私間違えてなかったんだ。

「紗倉さんって……凄いね」

「あぁ、恋愛に対してのこの鈍感さ…でもコタはせっかくの告白をパフォーマンスって事にして良かったのか?」

「次は完全に直球勝負で告白するしかないですからね」

「直球勝負で告白しても通じるかどうか……」

私達の様子を見ていた他の四人は私には聞こえないくらいの声で、コソッと話をしていた。

この後しばらく私と小谷先輩は他の生徒から噂されるようになり、あれはパフォーマンスですって否定するのが大変だった。みんな信じてくれないし。

それと真尋先輩から本当は公開告白で私に思いっきり振ってもらおうと思っていた事を聞く。

あの時の『ごめん』の仕草の意味は、しばらく注目を浴びるだろうから先に謝ったって事かな。

どっちにしても注目を浴びちゃったんだけどね。
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