いつか咲う恋になれ
ひと夏の思い出
8月上旬、毎日溶けそうなくらい暑い日が続いている。こんなに夏って暑かったっけ?と毎年夏に同じ事を思う自分がいた。

私は今、学校を出て駅に向かって歩いている。

夏休みだけど毎日のように学校に行って、部活だったり図書室で勉強したり……自分の行動を振り返ると、私って全然女子高生を満喫してないな。苦笑いしか出てこない。

真尋先輩とは私が風邪でダウンして以来会っていなかった。とはいえ、メールのやり取りは毎日している。

受験勉強の邪魔をしてはいけないと思い、極力連絡は控えていた。

そう言えば、真尋先輩って何処の大学を受験するのだろう。今度会った時に聞いてみようかな。

その日の夜、家で勉強していると携帯に思いがけないメッセージが届いた。

『同中仲良し5人グループ』

そう、元彼の山下君や柳、安住ちゃんと柴っち……そして私の五人で作ったグループだ。

私と山下君が別れてからずっと誰も使ってなかったのに……何だろう。

見るのは怖かったけど、思い切って携帯を操作して届いたメッセージを開いた。

送り主はは柴っちだ。

『みんな元気にしてる?なんか疎遠気味で寂しいじゃん。という事で、毎年恒例の花火大会行こうぜ!』

花火大会、もうそんな時期なんだ。カレンダーを見ながら実感する。私達は毎年みんなで花火大会に行っていた。

今年はもう無理だろうなと思ってたけど……
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