一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
 すったもんだの末、二人きりで部屋にいるときは嵌めることで合意に及んだ。

 ……外すときには、私からネイトにマウス・トゥー・マウスのキスをしつつ
「愛してる」
「大好き」
「早く貴方と結婚したい」
 を、日本語英語ドイツ語で言うことを義務づけられた!
 そんなの、強制されなくたって言うのに。
 ……お箸の国の人だから、約束は出来ないけど。

 とにかく外出するとき、指輪は再びネイトの胸元で輝き。
 私もやっぱり彼の胸元にしまわれたのだった。

 余談だけど。
 嵌めるときは、ネイトがひざまずき、あるいは口づけてからの、
「愛してる」
「君は僕のもの。そして僕は君のものだ」
「早く、この誓いを永遠のものにしたい」
 などなど、覚えきれない愛の言葉を日本語英語ドイツ語でささやかれている。



 *****



「……わかった」

 セキュリティチームのスタッフがなにも言わないなら、いいか。
 くふん。
 私はきゅ、とネイトの腕に抱きついたのだった。
 あ。
 勿論、顔拓はつけないように気をつけてだけど。
 ネイトが満足そうに私の髪に顔を埋める。

 ネイトと一緒にいてわかったことがある。
 私、彼に弱い。
 これが惚れた弱みってやつ?

 私の顔で堕ちたのを確認したネイトが、一変して傲岸になる。

「それに僕がエスコートする女性と意匠を合わせるのは、界隈では有名な話だよ?」

 どの界隈でしょうね!
 事前にボディガード嬢たちの話を聞いてなかったら、途中下車しちゃうところだったわ。

 そうこうするうち、車は劇場に到着したのだった。
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