COSMOS
それは、2週間前のこと。


「はぁ。やっとテスト終わったぁ」

「さっくん、お疲れ。出来はどう?」

「まぁまぁってとこかな。けど、意外に地学基礎出来たから良かった」

「へぇー、そうなんだ。理系科目はさっぱりて言ってたのに」

「いつまでもさっぱりなわけもいかないからちゃんと勉強したんだよ」

「そっかぁ。さっくん、偉いね」

「ははは。羽依に言われるとテレるなぁ」


なんて照れ隠しに頭をぽりぽりかきながらオレは羽依と話していた。

今回理系科目が良く出来たのは、アイツのお陰だ。

久遠由紗。

やつはバリバリの理系で、オレだったら1日かけても終わらないであろう問題を10分で終わらせられる。

『これが分からねぇ』って言えば、10秒問題を読み、読み終わるやいなやノートにさらさらと方程式を書いていく。

1が1分で終わって2が3分、3も3分で最難関の4で4分。

素晴らしいハイペースで解き終わるとオレの目の前にノートを突き付けてくる。

――これでどうっすか?

なんて聞かれてもオレに分かるわけないのに。


「はは」

「どうしたの?そんなに面白いことあった?」


ヤバい。

羽依の前で奇妙な笑みを浮かべてしまった。

オレとしたことが...

とんだ凡ミスだ。

ならば、ミスを取り返さねば。

オレは意を決して口を開いた。


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