毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

想も美結も、部活では次期キャプテンだと認識されている。

小学生の頃も、こいつらはミニバスの部長だった。

「尚哉、頼むから絶対部活やめたりしないで」

「想が部長なのはいいけど通訳がいないと俺らも後輩も困るから~」

……入院中、俺は部活仲間にはこんな風に泣きつかれていた。

美結はまだ常識持っているからいいんだけど、想は性格に難があり過ぎて――と言うか、天才過ぎて凡人はついていけないタイプだ。

天才は凡人が何故出来ないかを理解出来ない。

想はその典型だった。

「はいはい。何かしらのカタチでは残るからよ」

俺はもう走れない。想に追いつくことも、美結に並ぶことも出来ない。

……それをまだ、二人には話せていない。

幼馴染二人が成績良すぎるから、なんとなく俺も勉強には割と力を入れていて、成績は二人に次ぐ辺りに居ることが出来た。

けど、もう。

俺は、決定的に遅れをとった。

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