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第1章
甘い
「千夏!おっはよーん。」
朝からデカイ声。
「梨佳…。おはよ」
元気のない小さな声で返事をする。
「相変わらず低血圧だね~!」
笑ながら話し掛ける。
「うん。」
単語で眠そうにして答えた。
「あっ!千夏!もうチャイム鳴るよ。急がなきゃっ!!」
そう言って私の手を引っ張って走り出す梨佳。
彼女は私、相澤千夏(アイザワチナツ)の親友の森川梨佳(モリカワリカ)。
『キーンコーンカーンコーン…』
チャイムが鳴った。
「千夏~!ちゃんと走ってよ」
私を引っ張りながら言う梨佳。
「全速力だけど…」
朝に弱い私はいつも遅刻している。
やっと教室に着きドアを開ける。
『ガラガラ』
「遅い!27秒遅刻だ。」
今、変なことを言ったのが私たちの担任。
河部勝(カワベマサル)。
細かいことをいちいち指摘するウザイ奴。
そんな担任を無視して、自分の席に着く。
「千夏。また遅刻かよ。1週間ずっと遅刻だなお前。」
今話しかけてきた奴が私の前の席に座っている。
西村隆太(ニシムラリュウタ)。
バスケバカ。
バスケ部の13番。
ちなみに私もバスケ部。
女バスの14番。
2年生。