あなたの願い、残酷に叶えます。
それがどこから聞こえてきているのか一瞬わからなかった。


が、それはどうやら自分の顔から聞こえてきているのだと理解した。


画面の中で3人が悲鳴を上げ、崩れ落ちるのが見えた。


顔中が熱くて、まるで燃えているような感じがした。


やがて女の手が離れていった。


しかし、顔の熱は消えない。


女は手になにかを持っていた。


赤黒く、まるで女性が使うパックのような形状をした、ナニカ。


俺はタブレットへ視線を向けて、自分の画面を確認した。


その瞬間、真っ赤な自分の顔が映っているのが見えた。


表面の皮膚がはがされて肉が露になっている。


「あ……」


自分の頬に触れるとズルリとした感触がした。


次の瞬間右目がゴロリと転がり落ちた。


あぁ……死ぬんだ。


そう思った時、俺は机に突っ伏して呼吸を止めた。
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