堕天使系兄の攻略方法。
「そうだね」と、間がない返事が軍曹から返ってきた。
なんだこの男は。
なにが生徒会長だ、なにが男版才色兼備だ。
あったよ欠けているところが。
やっぱり全部完璧パーフェクトなんて人間はこの世にどこにも居ないのだ。
たった今そんなものが検証されたらしい。
「どうして私がそんなことっ!」
「俺に1つでも勝ってるとこある?ないよね」
だからお前は下僕なんだよ、だってさ。
「なっ…!ちょっと頭が良くて格好良いからってなんでもかんでも言っていいの…!?」
さすがに怒った。
さすがにこんなのはお兄ちゃんでもなんでもない。
こんなの憧れてた同居生活と全然違う。
冗談じゃない、冗談じゃないぞこんなの。
だから早く冗談にしてってば神様…!!
「私はそんなこと絶対しないっ!二等兵も辞めてやるんだから…!」
「三等兵ね。なに勝手に繰り上げてんだよ」
「どっちも違うよ…!!お父さんに言い付け───んむっ!!」
むぎゅっと両頬を掴まれてしまった。
額がくっ付きそうな寸前で止めて、そいつはどこか勝ち誇った笑み。
「俺生徒会長だよ?父さんにもあんなに気に入られてる俺と呆れられてるお前、どっちの言い分を信じるかな」