覚醒者3号-最終調査報告-
と、突然。

「ななみ」

小山田君がしゃがみ込んだ。

「背中に乗れ」

「え…?」

相変わらず振り向かないまま…でもななみちゃんを気遣うように小山田君が言う。

「……」

小山田君に背負われる事は恥ずかしいのか、もじもじしながら戸惑うななみちゃん。

そんな彼女の背中を。

「!」

私は軽く押して、小山田君にしがみつかせた。

彼は軽々とななみちゃんを背負う。

「…よし、いこう」

赤面したままのななみちゃんを連れて、私達は地下の更に奥深くへと進んだ。



< 22 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop