覚醒者３号－最終調査報告－
「どう見る？小山田君｣

黛さんの問いかけに。

「…罠だな｣

俺は即答した。

…実行部隊は、機関の末端に位置する構成員だ。

そんな連中が、こんな重要機密を持っている時点で胡散臭い。

ましてやその重要機密を戦闘中に持ち歩き、あまつさえ敵である俺達の前に落として紛失してしまうなどと…。

いかにも俺達に、この地図に載っている地下通路に来て下さいと言わんばかりだ。

恐らく十中八九、この地下通路には機関による何らかの罠が仕掛けられていると考えていい。

「…同感ね、あまりにもわざとらしすぎるわ｣

黛さんも頷く。

さて。

問題はそこまでわかった上でどうするか、だが…。

「行くしかないだろうな｣

俺は拳を握り締めた。

罠だろうと何だろうと、機関に迫る手がかりは、今はこの地図しかない。

虎穴にいらずんば虎児を得ず、という奴だ。

「…そういうと思ったわ｣

黛さんが不敵に笑った。


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