君を待ってる
〜龍side〜
あれから俺たちは受験勉強をし、家から1番近い、南高校に合格した。

笑「駿ちゃんどうしてるんだろうね。」

帰り道たまに、遠くを見つめて悲しそうな目をして話す笑恋を見ると胸が痛くなる。
いっそのことあの日の出来事を話した方がいいのだろうか。
笑恋の知らない駿の姿を………。

駿のあんな姿笑恋に伝えたら笑恋はきっと、ショックを受ける。
あの日の俺と同じように。

俺にとっても笑恋にとっても駿はヒーローみたいな存在だから。

でも俺は駿のあんな一面を見た以上。
笑恋を守らないと。
笑恋を守れるのは俺だけだから。



高校2年になると笑恋が駿の事で寂しい目をすることも無くなった。
俺たちは当たり前に生活をして、当たり前の日々が過ぎていく。
そんな高校2年の夏。

笑「私さ龍のことが好き!ずっと前から付き合ってくれませんか?」

正直びっくりした。
笑恋が好きなのは駿で、俺じゃないと思ってたから。

龍「俺も笑恋のことがずっと好き。」

それからは毎日が夢のようだった。
一緒に映画を見に行ったり、水族館に行ったり、あっという間に俺たちは高校3年生になった。


笑「私東京の大学に行く。駿ちゃんに会いに行く。」

龍「え?」

笑恋の突然の話に俺は驚く。

笑「まぁ、東京にね、行きたい大学があるの。お父さんもお母さんもいいよって言ってくれたし行こうかなって……」

龍「そっか、じゃあ俺も行く。」

笑「え?」

龍「笑恋1人で駿似合うなんてずるいだろ!俺も行く!」

駿と笑恋を2人で会わせたらだめだ。
そう思った。
駿が東京にいるのかすら分からないけど、
笑恋1人で東京に行かせるのは危ない気がした。

俺は東京に行く決心をした。
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