もふもふになっちゃった私ののんびり生活
「そろそろ結界の外で実践してもいい頃でしょう。心配でしたら私と是非真名を交わしてください」
……これは最後通告なのか?それともある意味押し売りになるのかな?でも、確かにそろそろ結界の外に出ないと訓練にならないよね……。
そうなるとセフィーの申し出はとてもありがたい。セフィーがいつでも私の行動を見守ってくれているということだから。
でも、本当に精霊樹の精であるセフィーと私が真名を交わしていいものだろうか?
「……ねえ、セフィー。正直に答えて欲しいのだけど。真名を交わしたら、何かセフィーに影響が出ることはある?まだまだ先のことだけど、私が死んだ時にセフィーもいなくなっちゃう、とか」
今まで真名を交わさずにいたのも、その不安があるからだ。
私のせいで、世界の魔力を支える精霊樹が一本枯れた、なんてことになったら目も当てられないものね。
だから、これだけは誤魔化される訳にはいかない、とじっとセフィーの目を見つめる。
「精霊の方が存在の位が上なので影響はないです。私はルリィと会話する為に生まれましたが、ルリィがいなくなっても消えることはありません。それに、ルリィの手助けをしても、使うのは精霊樹の生み出している膨大な魔力のほんの僅かです」
それなら、よくいう精霊のきまぐれで一時的に一緒に過ごす、みたいな感じなのかな?精霊って寿命が無さそうだし。
「……なら、もし私が危機に陥っていたとしても、手助けは最低限にしてくれるって約束してくれる?危ない!って忠告してるだけでいいの。そうしたら私が結界を張るから」
私も十歳になり、気配を消して風を纏って走ることも悪意を跳ね返す結界を張ることもできるようになった。
最近では、気配を消して走ってもリスにも気づかれないようになったのだ。
でも、実際に魔物の姿を目にしたら、動揺して気配が漏れてしまうかもしれないし、結界も私の意識がある時限定で、まだ集中していないと消えてしまうこともあるからどうなるか分からない。
だから後は足りないのは経験、なんだよね。結界の外に出るのは怖いけど、でももし万が一結界が不完全でもセフィーがいてくれるから。
……こういう甘えた考えだからダメなのかな?やっぱりセフィーとは真名を交わさない方がいいのかな?
「確かに私がいる、という安心感で危機感が薄れて逆にルリィが危険になる場合はあるでしょう。でも私は、ここからは動けないので、ルリィが私の力の影響範囲から出たら何も干渉できなくなります。だから、私という保険を万全にして、少しずつルリィが命の危険もありうる状況に慣らして行って下さい。何より命が大事ですから」
そう言われると、そうかもしれない。なんといったって、安全な日本での暮らししか知らない私が今、命に危険のある状況に対応できるか、と言ったら無理だ。
この世界になじんで、世界を旅して回りたくなる時が来るかもしれないし。その時までにセフィーに見守って貰いながら命のやり取りに慣れよう。
……慣れたくはないけど、仕方ないしね。結局セフィーに甘えてしまうことになるけど。いつか何か返せたらいいな。
「分かった。じゃあ、セフィーの言葉に甘えさせて貰うね。私と、真名を交わして下さい。お願いします!」
そうして私はセフィーと真名を交わすことになった。
……これは最後通告なのか?それともある意味押し売りになるのかな?でも、確かにそろそろ結界の外に出ないと訓練にならないよね……。
そうなるとセフィーの申し出はとてもありがたい。セフィーがいつでも私の行動を見守ってくれているということだから。
でも、本当に精霊樹の精であるセフィーと私が真名を交わしていいものだろうか?
「……ねえ、セフィー。正直に答えて欲しいのだけど。真名を交わしたら、何かセフィーに影響が出ることはある?まだまだ先のことだけど、私が死んだ時にセフィーもいなくなっちゃう、とか」
今まで真名を交わさずにいたのも、その不安があるからだ。
私のせいで、世界の魔力を支える精霊樹が一本枯れた、なんてことになったら目も当てられないものね。
だから、これだけは誤魔化される訳にはいかない、とじっとセフィーの目を見つめる。
「精霊の方が存在の位が上なので影響はないです。私はルリィと会話する為に生まれましたが、ルリィがいなくなっても消えることはありません。それに、ルリィの手助けをしても、使うのは精霊樹の生み出している膨大な魔力のほんの僅かです」
それなら、よくいう精霊のきまぐれで一時的に一緒に過ごす、みたいな感じなのかな?精霊って寿命が無さそうだし。
「……なら、もし私が危機に陥っていたとしても、手助けは最低限にしてくれるって約束してくれる?危ない!って忠告してるだけでいいの。そうしたら私が結界を張るから」
私も十歳になり、気配を消して風を纏って走ることも悪意を跳ね返す結界を張ることもできるようになった。
最近では、気配を消して走ってもリスにも気づかれないようになったのだ。
でも、実際に魔物の姿を目にしたら、動揺して気配が漏れてしまうかもしれないし、結界も私の意識がある時限定で、まだ集中していないと消えてしまうこともあるからどうなるか分からない。
だから後は足りないのは経験、なんだよね。結界の外に出るのは怖いけど、でももし万が一結界が不完全でもセフィーがいてくれるから。
……こういう甘えた考えだからダメなのかな?やっぱりセフィーとは真名を交わさない方がいいのかな?
「確かに私がいる、という安心感で危機感が薄れて逆にルリィが危険になる場合はあるでしょう。でも私は、ここからは動けないので、ルリィが私の力の影響範囲から出たら何も干渉できなくなります。だから、私という保険を万全にして、少しずつルリィが命の危険もありうる状況に慣らして行って下さい。何より命が大事ですから」
そう言われると、そうかもしれない。なんといったって、安全な日本での暮らししか知らない私が今、命に危険のある状況に対応できるか、と言ったら無理だ。
この世界になじんで、世界を旅して回りたくなる時が来るかもしれないし。その時までにセフィーに見守って貰いながら命のやり取りに慣れよう。
……慣れたくはないけど、仕方ないしね。結局セフィーに甘えてしまうことになるけど。いつか何か返せたらいいな。
「分かった。じゃあ、セフィーの言葉に甘えさせて貰うね。私と、真名を交わして下さい。お願いします!」
そうして私はセフィーと真名を交わすことになった。