子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
生徒会室に近づくととても静かで、みんな帰ったのだろうと察した。
結局、30分くらい押しちゃったから。
「……っ!」
「あっ、綾瀬会長、お疲れ様です!」
「て、天馬くんっ……まだ残ってたの?」
誰もいないと思っていたはずの生徒会室のドアを開けると、人影が見えて一瞬心臓が止まりかけた。
「驚きすぎですよ、綾瀬会長。心配だったので残ってたんです」
優しく微笑んで、わたしを真っ直ぐ見た天馬くん。
「打ち合わせのこと?天馬くんは仕事熱心だね!少し訂正はあるけど、無事に通ったよ」
まさか、そんなに学校祭の打ち合わせについて心配になってたなんて知らなかった。
まぁ、天馬くんもたくさん案を出してくれてたから、どうなったか気になっていたのかもしれない。
「それは良かったですっ……て、そうじゃなくて、綾瀬会長のことですよ!」
どうやらわたしの読みは違っていたみたい。