子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
理性を抑えて─side:天馬 央翔─



今日は1日中、先輩の様子がおかしかった。


いや、正確に言えば最近ずっと。


目の下のクマは、日に日に悪化していく一方で、顔色も悪い。



「お前、帰んないの?」



帰り際、副会長に声をかけられた。


その問いに、首を横に振る。



「まだちょっとやりたいことあるので、先に帰ってて大丈夫です」


「……そっ」



副会長は、相変わらず僕に対して敵対心むき出し。


気持ちの面では負ける気はしないけど。



「じゃあまたねー」


「天馬くん、また明日」


「じゃーな」



次々と手を振って出ていく生徒会のメンバーたち。


全員にニコッと笑顔を見せて見送った。


僕が帰らずに残ることにしたのは、仕事が残ってるからとかなんていう理由ではない。


学校祭の打ち合わせがあるからと行ってしまった先輩が心配だったから。


今の先輩は、ちょっと触れれば、ドミノのように倒れてしまいそうに見える。


打ち合わせに行った先輩が生徒会室に戻ってきたのは、それから30分くらい経ってからだった。




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