子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「ふふっ、これは時間の問題ね」
お母さんは意味深なことを言って、わたしのことをニヤニヤと見る。
……なんか、嫌。
「何かあったら教えてちょうだいねっ」
わたしのことだっていうのに、なんでお母さんはこんなにテンションが高いんだろう。
そんなお母さんのことはあまり気にしないようにして、できたての朝ごはんを口にかきこんだ。
食べ終わって皿を片付けている頃、お母さんたちは仕事のため、家を出る。
無事に後片付けも済ませて結衣と悠太を見送ったあと、自分の身支度を整えていつも通り家を出た。
「綾瀬かーいちょっ!」
「ひぇっ」
「お化けが出たみたいに驚かないでくださいよ」
なんで、天馬くんがここに?
鍵をかけたことを確認して振り返ると、ひょっこり顔を出した天馬くん。
驚かないでって言う方が無理だよ。
天馬くんのお家はこの辺じゃないんだから。