子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



わたしの返事を聞いた天馬くんはとても満足そうで、ニコニコと笑っている。



「約束ですよ!じゃあ遅刻する前に行きましょーっ」



そう言って、スっとわたしの手を取って繋いだ天馬くん。


天馬くんはドキドキしたりしないの?


ずっと嬉しそうな笑顔を浮かべる天馬くんからは、緊張とかそんな様子は全くなくて。


こんなにわたしばかりドキドキして、恥ずかしくなる。



「綾瀬会長?やっぱり具合悪いですか?」


「う、ううん。なんでもないの、本当に」



わたしがなんかおかしいだけ。


天馬くんの言葉、天馬くんの行動。


それにお母さんからの言葉。


さっきから動揺しっぱなし。


まさか……そんなことないよね。


この気持ちがもしかして────



「あっ、ヤバい!綾瀬会長、ちょっとだけ走れますか?」



そうこうしているうちに遅刻ギリギリの時間になってしまっていたみたい。


今日に限って、いつも使っている自転車は学校に置きっぱなし。


自分の足で行かなければならないわたしたちは、急いで学校へと向かった。




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