東京ルミナスピラー
悩みながら、色んな項目をチェックしていると、気になる物が目に飛び込んできた。


それは、「ソウル」についての記述。


「なになに？ ソウルは人を殺すことで入手することが出来る。ソウル10個でソウルストーンを1つ補充でき、また、ソウルを使用することでレベルを上げることも出来る……」


ヘルプを閉じて、メニュー画面を確認すると、確かに右上に炎みたいなマークがあって、そこに「2」と表示されている。


聖戦で、俺が殺した人は二人。


だからソウルを2個入手出来たわけだ。


「もしかして、吹雪さん達や父さんはこれで強くなったのか？ 聖戦で人を殺して、手に入れたソウルでレベルを上げる。だとしたら強いはずだよ」


と、考えて改めて寝転がるものの、あの優しい父さんが人を殺したって言うのか？


不思議なもので、なぜか人を殺したという罪悪感はない。


むしろ、それはこの街では当然のことで、俺自身、人を殺すことは特別なことではないと思い始めている。


全てはこの街が、人間の感覚を狂わせているのだろう。


「灯もゴリ松を殺しても、平然としてたもんな。死が特別なものじゃないってことか」


そう呟いて、ヘルプを見ていたら、いつの間にか俺は眠りに就いていた。


まるで次の戦いの為に、身体が休息を欲しているかのように。
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