地味で根暗で電信柱な私だけど、甘いキスをしてくれますか?
 私はちょっと身を屈めて目を閉じた。

 柔らかな温もりが私の唇に重なる。

 直接彼を感じて、、さらにより深いキスをした。口の中に彼の想いを受け容れて私も彼に絡みついて応じる。

 呼吸をするのももどかしい。

 ずっとこうしていたい。

 けれど甘い時間はあっという間に終わってしまって、私はとろんとしたまま目を開けた。

 離れていった彼の温度が早くも恋しくなる。二人を繋いでいた銀の橋がだらりと垂れて切れた。

「ゆかりさん」

 佐藤さんが私の耳に唇を寄せる。

「メリークリスマス」

 甘やかな声に耳をくすぐられ、私は早く部屋に戻って続きをしたくて仕方なくなる。火照った身体がどうしようもないくらい彼を求めていた。

 どんなものよりも大切な存在。

 彼こそが私にとって一番のクリスマスプレゼントだ。

 きっと今夜は眠れない。

 でも、そんな期待と欲求は胸に押し込めて私はできるだけ可愛くあろうと努めながら言った。

「メリークリスマス」
 
 
**本作はこれで終了です。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 
 
 
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