溺愛フレグランス
愛しいという名の曲者


「ねえ、そのGACKTみたいなサングラス何とかならない?」
「ガクト?」

朔太郎の言うガクトみたいなサングラスとは、今日のドライブ用に慌ててアマゾンで買ったサングラスの事らしい。

「昨日、病院でもう眼帯はしなくても大丈夫って言われたけど、まだこの傷を人様に見せる勇気はないの。
まだ陽の光も眩しい気がするし、今の私にこれは必需品だよ」

私はちょっと黄色味がかった細長い長方形タイプのサングラスをしている。
アマゾンのサイトでは女性に人気と書いてあった。
サングラス自体、あまりした事がない私には、綺麗なモデルさんが付けているサングラスはとにかくカッコよく見えた。

「変かな?」

確かに、私だって鏡に映る自分を見て、あのモデルさんと大分違う事には気付いている。でも、このサングラス、嫌いじゃない。

「え、変じゃないって思ってる?」

朔太郎は正直過ぎるところがたまに傷だ。
お世辞とかおべっかとか機嫌取りとか、地球上にそんな言葉がある事を知らないのかもしれない。


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