溺愛フレグランス
でも、だからといって、この状況を朔太郎と智也にどう説明すればいいのだろう。
その人に今日はお友達と同級生のお店で楽しく飲んでまーす、と伝えるだけの事なのに、何だか後ろめたい。
「あのね… その、今、お互いの近況をやり取りしている人がいて。
今日は私の方から連絡をする番なの…
このお店の雰囲気をちょっと教えてあげたいなって思って。
こういう素敵な所で友達と飲んでまーすみたいな感じで」
私はいわゆるしどろもどろの状態だ。
でも、咄嗟に気の利いた嘘も思い浮かばないし、別に悪い事をやっているわけでもないし、二人が何となく察してくれる事を祈るしかない。
私は、慌てた様子でバッグの中からスマホを取り出した。すると、友和さんからの着信記録がある事に気付く。まだ、約束の二十時から十分も経ってないのに。
あ、友和さんとは、今、私がやり取りをしている一人の山本友和さん。
実は、今、同時進行で二人の人とやり取りをしている私。でも、そういうやり方はマッチングアプリでは普通の事で、由良ちゃんに関して言えば、多い時は五人の人とやり取りをしている。
「それって、男なのか?
その近況を報告し合っている相手って」