溺愛フレグランス
「もう…」
私はそう言って、智也が持ってきてくれたフルーツを口に入れた。
こうやって、結局は、朔太郎の可愛いわがままを受け入れてしまう。
そんな私にも大きな問題があるのだと、自覚はしているけれど。
私も朔太郎も智也の手料理をたくさん食べて、そして朔太郎はたくさんお酒を飲んで、思いっきり楽しんだ。
「朔、そろそろ帰ろうか?」
明日、仕事をある身としてはそんなだらだらと飲んではいられない。
いい感じで酔っている朔太郎にそう言うと、朔太郎は分かったと言って立ち上がった。
そして、さっさと一人で会計を済ませ、智也にサンキューと言って店を出る。私も慌てて智也にお礼を言って、朔太郎の後を追いかけた。
「晴美、見てみ。
今日の夜空は満天の星だ~」
私は空を見上げる。
朔太郎がいうほど満天ではないけれど、綺麗な星空には違いない。
「やっぱり田舎はいいな~
こんな綺麗な星空と美味しい空気、それに大好きな晴美がいるんだもんな」
私は酔っぱらっている朔太郎の手を引いて、車の助手席にゆっくりと座らせた。
そして、私が運転席に乗り込むと、朔太郎は幸せそうに大きく空気を吸いこむ。