溺愛フレグランス


朔太郎は隣にいる私の事は無視している。モフ男ばかり触って見つめる朔太郎は、もう私の事を避け始めている。
そんな朔太郎をしばらく見ていた。
そして、私が下を向いたままその場を離れようとした時、朔太郎は寝転んだまま私の事を抱き寄せた。

「本当は、俺だって晴美に会いたいさ…」

私はどうしようもない寂しさに泣きそうになった。でも、泣かない。泣いちゃいけない。
朔太郎は起き上がり、私をソファに抱き上げる。
可愛い顔をしているくせに身長も高く体格のいい朔太郎は、簡単に私を持ち上げる。そのギャップに、私以外の女の子は皆がときめいた。

「な、最後のキスをしようか…
幼なじみの清らかなキスはこれでおしまい」

朔太郎は清らかなキスと言いながら、ねっとりとした大人のキスをし始める。
私が可笑しくてくちびるを重ね合わせながらクスッと笑うと、朔太郎は急にくちびるを離した。



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