溺愛フレグランス


本当に由良ちゃんって頭がいい。
それか私のレベルにピッタリ合った私の先生なのかもしれない。
由良ちゃんの話を聞いて、本当にストンと腑に落ちた。
でも、それで言えば、最近私は朔太郎の事ばかり考えている。毎日、毎日。


村井さん主催の飲み会が日曜日になったことで、私と友和さんの週末の約束は土曜日に決定した。朝の十時に駅前で待ち合わせした。友和さんは車で迎えに来るらしい。
コロナ禍で外出もままならない中、車でのドライブは気が楽だった。

そして、土曜日の朝、私は駅前で友和さんを待った。
待ち合わせ時間の五分前に、友和さんのBMWは私の前に停まった。
この豪華な車に、まだ慣れない私がいる。
そんな私を友和さんは優しく迎え入れてくれた。

「今日はちょっと遠出したいって思ってるんだけど、いい?」

信号待ちで車が停まっている間、友和さんは隣に座る私をジッと見つめる。この提案はどう?とか、そんなシンプルな眼差しじゃない。
私は、そんな友和さんを見つめ返す。
友和さんの真剣な想いに答えるには、私も真剣に向き合わなきゃならない。

「大丈夫です…」

その言葉の意味を深く考えたくない。だって、色々な意味を含む便利な言葉だから。

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