会長。私と恋のゲームをしてください。
「……あら? 生徒会は四角関係じゃないのかしら?」



いつの間にか、彩菜先輩が理樹くんの隣にいて。

理樹くんからマイクを受け取って、笑っていた。


理樹くん……。

彩菜先輩……。



「そういうことだから。春馬くんと北澤さんの恋の行方は、見守ってあげてね」



ちらほらと会場から拍手が聞こえた。

生徒会のメンバーがこうしてステージの上で笑っている。



「春馬。最後はお前がしめろよ」



理樹くんの言葉に、彩菜先輩も頷く。

彩菜先輩からマイクを受け取る会長。



「文化祭、最後まで楽しめよ」



会長の声が全校生徒に届く。

ステージ上から見える、みんなが突き上げているこぶし。

それは、今までに見たことない景色だった。

生徒会役員をやっていて、よかったなって思える。


そして、会長のそばで笑えること。

私、すごく幸せだ……。
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