幸せの鐘

「俺は夜の店を経営してるだけじゃない。

新崎は世界トップと言われてて
他の組からその座を狙われる。
昨日はその問題があって帰れなかった。
この傷は相手の組の下っ端が竹刀を
振り回してあたっただけだ。」




竹刀って・・




次元が違う・・





「もう解決したし、しばらくはそういう
危ないこともない。

だから安心しろ。」





「うん、わかった。

その傷手当しなきゃ。」



「ちょっと待て。」




ソファから立ち上がると蒼汰くんが
私の手を握って座らせた。




「俺、杏が好きだ。」



「え?」



「会ったときからずっと杏の事が好きだ。

だから、俺と付き合ってほしい。」




また涙が出ちゃうよ・・




「私も蒼汰君が好き・・

よろしくお願いします。」



「おう。

絶対に幸せにする。
愛してる。」



「私も愛してるよ。」




蒼汰くんの顔が近づいてきて
そっと目を閉じた。




私のファーストキス。




すごく幸せだった。






夜、麻友に電話をして報告すると
すごく喜んでくれた。




でも、私は忘れてた。。



あの人たちの存在を。
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