パリへ追いかけてまで
19時、健太郎が予約した ホテルのレストランの個室で、佐藤家の5人がにこやかにお祝いの食事会が始まった。

「亮! 〇〇コンクール金賞受賞おめでとう!
 受賞を祝って、乾杯!」

《カンパーイ》 パチパチパチパチ!

「亮、本当に良かったわね!おめでとう」

「ここにきて、コンクールとか、ましてや金賞とは、ビックリだなぁ! おめでとう!」

「内定蹴ってまで、自分の力でパリで世界の名だたる建築家たちと競い合うんだから、浮かれないでしっかりと超一流の建築家目指して頑張れよ!
おめでとう!」

「亮。 お前には、ビックリさせられっぱなしだな!
でも、家族みんなを幸せにしてくれるビックリだから許す。 
いいか…亮。
努力に勝る天才なしって言葉があるだろう?
常に努力し、謙虚に、チヤホヤされて天狗になると、高転びするからな!
努力は、報われるから、
若いうちは、歯をくいしばって頑張れな!
本当におめでとう! 良かったなあ。」

「みんな、ありがとう! 
俺さ、こんなに頑張ってるの、今まで無かった…
友達になった子がさ、夢を叶えるのに必死で努力している姿を見て、
ダラ〜と生きてきた自分が、恥ずかしかった…
そして、斉藤さんとの出会いも大きい。
今回のコンクールでの金賞受賞がまぐれと言われないように、これからも努力します!
みんな、ありがとうございました!」


パチパチ パチパチ。 



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