パリへ追いかけてまで

一通り説明して、帰ってきた亮。

それからの亮は、一心不乱に図面に向き合った。

寝食を忘れる程、集中していた。

一気に1週間で、図面を制作し、何度も見直してから斉藤拓海の事務所へEメールで送ろうと思ったが、直接持って行こうと考えた。


旅行から帰って来た亮の雰囲気が、変わった事に気づいた母親の直美は、健太郎が帰ってから、

「ねぇ、お父さん。亮がね、
旅行から帰ってから何かいつもと違うのよ〜。
大丈夫かなぁ」

「アイツだって、春から、社会人になるんだ。
いつまでも、学生気分じゃあ困るよ。
大丈夫だろ、社会人になる心構えが、備わってきたのさ。 
放っておけよ。心配ない。」

「そうだと良いけど…。 部屋に閉じ籠ってるし」


「まあ、やっと末息子が、一人前の社会人だな〜
お前も、お疲れ様だったな。ありがとう。」

「そうね、これでやっと ホッとするわ〜」


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