無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


「ねえ、いち」

「なに、にのちゃん」

「いちのたんじょうび、きのうだったね」

「うん」

「にの、なんできょうがたんじょうびかわかったよ」

「きょうはにのちゃんのたんじょうび」

「いちにはやくあいたかったんだなきっと」

「はやくあいたかった?」

「そう、はやくあいたかったから、にの、いそいでうまれてきたんだよ」

「いそいで?」

「うん、いちはまってたんでしょ、にのを」

「むかしのきのう」

「そう、むかしのきのう。にのをまってた」

「うん、まってた」

「ふふふ」

「にのちゃんがくるのを、まってた」






私の小さな手がその赤を受けとった時の、雪解けのような、2人の笑顔。




< 255 / 257 >

この作品をシェア

pagetop