奥手な二人の両片思い
しばらくユキヒョウを見た後、他の動物達も見ながら園内を回った。


初めて聞く動物もいて、ちょっと詳しくなれたかも。


すると突然、菫ちゃんが何かを見つけたトーンで「あ!」と口を開いた。



「モルモットだ!」



手を引っ張られて、モルモットがいる広場へ。

中に入り、柵で囲まれている場所に向かうと、たくさんのモルモットがちょこちょこと歩き回っていた。


おお、可愛い~。

なんか、「ホニョホニョ」って鳴いてるけど……モルモットってこんな風に鳴くのか。



「いっぱいモルくんがいる~!」

「っ……!」



思わず吹き出しそうになった。

その呼び方は水沢くんを思い出すからやめてくれ……。



「お尻プリプリしてるね~」

「そっ……そうだね……」



必死に笑いをこらえながら答えたものの。

俺の気持ちもつゆ知らず、彼女はモルモットのお尻の写真を撮影。


我慢の限界がきて、とうとう吹き出してしまった。
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